プロペシアは服用期間が約6か月に及びますので、服用されている方にとって、副作用を正しく把握してお
くことは重要です。
プロペシアの添付文書によると、フィナステリド1gを1日1回48週間投与時に、副作用は4%の方に認められ、主にリピドー減退(性欲低下)が1.1%、勃起機能不全が0.7%見られました。
また、重大な副作用として、肝機能障害の記載がありますので、プロペシアと肝臓への影響について詳しくご説明し、もしもプロペシアの服用によって、肝機能障害が起きた場合どうすれば良いかについてお話しします。
1.肝臓は何をしているところ?
肝臓は、多機能な臓器ですが、主に3つの重要な働きをしています。
まず、1つ目は代謝機能です。
人間は、摂取した栄養をそのままの形では利用することができません。
その為、摂取した栄養を体内で使える形に変える機能が代謝機能で、肝臓が行っています。
2つ目の機能は、解毒機能です。
人間が摂取した物の内、体に有害なものは、水溶性物質に変えて排出します。
この働きを担っているのが肝臓で、解毒機能です。
3つ目は、脂肪の消化吸収に必要な胆汁を分泌する機能です。
1日に約600~800mLの胆汁が分泌されます。
2.プロペシア服用による肝臓への影響は、、ある程度「アリ」
プロペシアに限らず、口から摂取された物は全て肝臓で代謝されます。
プロペシアの有効成分フィナステリドは、肝臓で代謝されてから血液中に吸収され頭部に運ばれ作用を発現します。
プロペシアは市販後に行われた調査で、肝機能障害発生率は0.2%となっています。
また、臨床試験では肝機能障害の発生は無く、ALT(GPT)値の上昇が確認されています。
ALTとは、アラニンアミノトランスフェラーゼといい、アミノ酸やエネルギーが体内で代謝されるときに働く細胞内の酵素で、ほとんどが肝細胞にあります。
この数値が上昇するということは、肝細胞が障害を受けて血液中に流れ出しているということを示しています。
肝細胞の障害の原因は一般的にウィルスやアルコール摂取などが有名です。
3.プロペシアで肝機能の数値が基準値を超えるケースは要注意
先程のALTは、31 IU/L以上で肝細胞障害を示す指標とされています。
プロペシアを服用継続中にALT、AST、γ-GTPが異常値を示した場合、プロペシアの処方を受けている医師に相談し、服薬の継続について検討しましょう。
また、プロペシアを個人輸入で服用する場合にも、ALTなどの肝機能指標が異常値を示している場合は、服薬前に医師の診断を必ず受けてください。
この様な点から、プロペシアの処方を受ける場合は、事前に血液検査などを行ってくれるAGA治療専門のクリニックを選択することをおすすめします。
もちろん、プロペシア服薬中の血液検査も医師と相談の上、定期的に受診することが大切です。
4.食事の工夫で肝機能を守ることがたいせつ
プロペシアに限らず、医薬品は肝臓で代謝を受ける為、肝臓に負担がかかることは避けられません。
肝機能を正常に保つために幾つか参考になることをご説明します。
・休肝日をつくる
飲酒も肝臓に負担を掛ける行為ですので、週に2日程度は、休肝日を作り飲酒を控え、肝臓を休ませてあげましょう。
また、プロペシアを飲酒と同じタイミングで服用することは避け、晩酌をする方は、朝食後にプロペシア
を服用するなど、服用時間をずらす様にしましょう。
・高カロリー食に気を付けましょう
カロリーの高い食事を続けると脂肪肝という状態になります。
肝臓の30%以上が脂肪化してしまう状態で、肝機能を低下させてしまう為、高カロリー食は控えるように心がけましょう。
・肝臓に良い食品を摂りましょう。
ビタミンは肝臓の機能を増進させる働きがあり、タンパク質と植物繊維は解毒作用を高める働きがあります。
ビタミンとタンパク質は髪にとっても良い栄養素ですので、積極的に摂るようにしましょう。
・有酸素運動をしましょう。
肝臓は、有酸素運動によって脂肪が燃焼する為、機能が向上します。
定期的な有酸素運動を心がけましょう。
・十分な睡眠を取りましょう。
肝臓は疲労によって機能が低下します。十分に睡眠を取ることは、肝臓だけでなく髪の成長にもプラスの効果がありますので、しっかりと睡眠を取りましょう。
・禁煙をしましょう。
タバコに含有されているニコチンは、肝臓の解毒作用に負担を掛けますので、禁煙することがお勧めです。
5.まとめ
・プロペシアは、肝機能障害や肝細胞障害はほとんど見られませんが、薬である以上肝機能に負担を掛けますので、服薬前、服薬中に血液検査を実施して、医師の指示に従った服薬継続が大切です。
・プロペシアを服薬中に肝機能数値が異常を示した場合は、服薬の中止を医師と相談してください。
・肝機能を正常に保つためには、悪化要因となる、飲酒、喫煙、高カロリー食を避け、有酸素運動、ビタミンやタンパク質の摂取、十分な睡眠を心がけましょう。
以上、プロペシアと肝臓への負担についてご説明してきました。
肝臓に負担の掛かる食生活を避け、肝臓機能を健康に保ちながらも、定期的な血液検査を行って、医師の指示の基、安心して服薬を継続しましょう。
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